『感謝』。(中村紀洋選手)

  • 600→5000万円! ノリ、8倍強で一発サインサンケイスポーツ

     オリックスを退団し、中日にテスト入団した中村紀洋内野手が29日、来季の年俸交渉を行い、4400万円増の5000万円で更改した。昇給率は733%で、1994年オフのイチロー外野手(800万円から900%増の8000万円)、95年オフの平井正史投手(660万円から809%増の6000万円、当時はいずれもオリックス)に次ぎ、日本球界では3番目となった。

     中村は昨季まで在籍したオリックスとの交渉が決裂して退団。中日と育成枠で契約し、開幕前に支配下選手に登録された。今季は130試合に出場し、打率・293、20本塁打、79打点。日本シリーズではMVPに選ばれ、チームの53年ぶりの日本一に貢献した。



     所属していた球団と交渉決裂した選手が、他球団と育成枠で契約して再起をかけた初めてのケースで、本来の活躍をした際に翌シーズンの年俸が、どう算出されるかが注目されていた。中日の出した査定基準は「1年目の選手に少し(実績を)加味した」ものだった。

     近鉄、大リーグのドジャース、オリックスで15年間プレーしているが、FAやトレードで移籍した選手のように、前球団での実績は考慮されなかった。今季は130試合に出場して1軍の最低保障年俸(1500万円)を手にできる登録日数も満たしたが、査定は600万円からスタート。結局、オリックスが決裂前に提示した8000万円に届かなかった。

     ただ、中日としては、「首位打者を取ったぐらいの評価をした」(井手編成担当)という見解。過去に実績のなかった広島の嶋(700万円から550%増の4550万円)やヤクルトの青木(1000万円から600%増の7000万円)が、急成長で首位打者になって大幅昇給したときを参考に、球団史上最高のアップ率をはじき出した。

     入団テストで受け入れてくれた中日への感謝もあり、中村は記者会見で「若い人にも励みになる金額」と納得の笑顔を見せた。今後のモデルケースになるかは別として、両者の交渉はスムーズに終わった。

    ホント良かったです。オリックスから提示された8000万と今日中日から提示された5000万。あの時そのままオリックスに残っていたら今よりも年俸は多く貰ってたかもしれません。でも、ノリさんにとって今年1年は差額の3000万よりも、もっと大きなものを手に入れたと思います。お金に代えられないものを…。ノリさんにとってこの1年は一生忘れられないものになったと思います。シーズン終盤は攻守で痛々しい歩き方を見せたノリさん。ひょっとしたら来年は全然使い物にならない位動けなくなってるのかもしれませんが、それでもドラファンはノリさんのひたむきさを認めてますので、まずはじっくり腰を治して、で、焦らずとも万全の体調で戦線に復帰してくれればいいです。ドラゴンズに来てくれて良かった。ありがとう。